重心移動の練習2(最終回)

滑っている感じに近い動きであり、大事な練習です。

足を肩幅より少し開いて立ち、スキーをするような状態にします。そこで片方の足を少し浮かせるとどうなるでしょうか。浮かせた足の方向に、身体が移動するはずです。

例えば左足を浮かせると、身体が左下に移動します。ところが倒れまいとして、左足を浮かせるときに、右足に体重を移してしまう人がいます。倒れまいとして、左足で蹴って右足に乗りこんでしまうのです。これは駄目です。

倒れないように動くのではなく、倒れていくように動くのです。えーと、両足で立っていて一瞬に片足を消してしまえば、だるま落としのように落ちる動きになりませんか。(多分そう動くと良いと思います)木が倒れる様に、頭から倒れるようにはならないと思います。

同じ動きの練習ですが、今度は、右足の踵を上げつま先に体重を加えて下さい。右膝を軽く曲げて行い、左足の脛はもう少し左に傾けます。腰や胸を回さないようにして交互に行います。徐々に、移動した側の足裏全体に体重を乗せ、普通の重心移動をします。移動した側の脚は曲がり、反対側の脚は伸びた状態になります。

「スキーは、ターン内側に身体を残す、あるいはもって行くことによって、結果的に重心よりも、外側になったほうのエッジがたって、切れ込み角が生じるのです。そして重心に近い方のスキーは、フラット気味になります。」(福岡先生オンリーワンターンより)

内足に乗るのはかまいませんが、木が倒れるように身体をターン内側に倒すのだけはしないで下さい。それと、手と肩を上げるのも良くありません。ダランと下げた練習も実践もしましょう。肩が上がると上半身の動きはコントロール出来ないのです。

肩の力を抜き、肩を沈ませて動くことを一番に考えて下さい。それと最も大事なのは、それはターン中のどの場面でも、いつもどの方向にも動ける身体の位置でスキーを操るということです。

 

10年間、この欄を見ていただきありがとうございました。

私が50才の時から書き始めたものです。このページに2003年から書いていますが、実際は2002年にも何回か載せていました。今改めて読み直すと10年間いつも同じようなことを言っていますね。

リーゼンスラロームコースを拓いた福岡孝行先生生誕100年を前にして、一区切りつけます。先生が残してくれた言葉を随所に使わせていただきました。

長い間、お読みいただいてありがとうございました。

遠くない時期にまた書くかもしれませんが、そのときもよろしくお願いします。

来シーズンはぜひご一緒に滑りましょう。      (2012512日 丸山貞治)