ご無沙汰しています。

1月9日、積雪が充分になり晴れたので、今シーズン初の早朝リーゼンかっとび練習に行ってきました。意識したことは、身体の動きをスキーという乗り物の上で、擬似的に慣性系として扱いながら、エレベーターが下降する時に感じる感覚で、重心を入れかえターンの弧を切り換えてみました。

屈伸抜重とかベンディング操作とは、ちょっと違います。いかなる時も、力を雪面にぶっつけるイメージではありません。がんばったというような力感はなく、具体的な実感がまるでない滑りを目指しています。「ただ滑っている」という感じです。スピードが出てくると、切り換え時に身体が押し上げられるようになりましたが、逆らうことなく受け入れて、しかし沈む意識でお腹の辺りから横移動をします。矛盾した言葉遣いですが、これが私の感覚です。スピードが出ても早い動きをしても、軽い感じで動けるように心がけています。

プルークや低速の回転では、ストンと落ちる感じで身体を少し沈めるようにして、足裏を軽くし方向を変えてみると良いでしょう。

スキースクールの先生方も大勢滑っていました。見ていて思ったことは、すべての運動が単一の力「重力」で説明ができるのに、何故か難しいことをしているように思いました。また無理やり一つの形に押し込めようとしているようにも感じました。これだとせっかくの個性がなくなってしまいもったいないと思いました。

 ところで二軸理論やナンバが、基礎スキー界でも話題になっているようですね。私も二軸が自然な動きだと思っていますし、ナンバも胴体をひねらず、ゆがめず動くということで重要な身体運用法だと思っています。スキーに応用していく為には、スキー以外のところでとにかく身体を動かしてみて、様々な身体の使い方を育てることが必要だと思います。

 私が最近注目していることは、自分の内にある動きです。自分自身の肉体を、どのように操縦すればいいのかを探っているような感じです。身体をバラバラにして、パーツごとに細かく動かすようなことが出来るといいなと思っています。

 それをスキーという滑りの中で使う時は、動きや形が違ってくる事のほうが多いような気がします。また矛盾していることを言っていると思うでしょうが、これも真実なのです。

 階段を使った私の練習法を教えましょう。ゆっくりと登ります。片足は足裏全体で踏みしめ、もう片方はゆっくりと高く上げます。一呼吸おいてからゆっくり下げながら階段を登ります。ここではしっかりと片足で立ち、階段を踏みしめ安定させます。ところがスキーの場合は、雪面にそっと足を置き安定させることなく素早く移動するのです。・・続く・・              (2007年1月10日 サダハル)