たった一言
「いやー、ビックリ!」
頭の位置を意識してもらっただけなのに、滑りがガラリと変る方がいるとおもえば、腰を回しターンをリードすると結果的に外向姿勢が出来る方もいます。
勿論、頭の位置だけが変化した訳ではありませんし、腰からの先行動作だけではありませんが、「その人のその時」に適した一言が個々の琴線に触れると、思いもよらない結果が付いてくるのだと思います。
今まで、分かっているのに出来なかった事が多くあったのに、全ての「こと」が繋がって解けてしまったと云う感じだと思います。
頭の位置については、前回の「構え」を参考にしていただくとして、今回は腰の回し方(動かし方)に触れてみたいと思います。
中級者になりたての方々は、斜面を真下に向いたままスキーの操作をしてくれません。一つの回転ごとに、体の向きが真横に向いてしまいます。
小回りや中回りでは、できるだけ谷側を向いていて欲しいものです。
そこで考え付いたのが、「外側の腰でターンをリードする」と云うものです。
でもこれだと、体が回ってしまい何の解決策にもならないと思うでしょうが、大丈夫なのです。
右ターンで説明しましょう。
前の左ターン終了から右に入ろうとする時、左腰をターン方向に回し回転をやり易くします。
注意するのは、体を回転内側(右足側)に倒さないことです。これさえ気にかけていれば、右に体を向け始めると左スキーの角が立ち始めるので、右ターンが始まります。
右ターンが始まったら、徐々に次の左ターンの方向に体を向けていき、ターンに入る時、左腰のリードにより左ターンを行います。
要点は、スキーが真下を過ぎて横を向き始めたら、次のターンの方向に体を回し始めて下さい。そうすることで、結果的に谷側を向いている「外向姿勢」ができるようになっています。
これらのヒントを与えてくれたのは、古武術の師匠でもある高橋佳三さんです。(2020年3月4日 サダハル)