偽りの正しい動き

スキー学校で指導している時は、その正しさとは無縁だったのに「デモ」という仕事をしている時に「正しい動き」に犯されてしまいました。

組織が作り上げた正しい動きを基本にして、その動きのパターンを身に付けさえすれば、うまくいく「こうやればうまくできる」と教育されていました。

同じように学んでいる多くの仲間がいたので安心していたことは確かです。

最初から組織の中だけの「正しさ」ということは分かっていたのですが、いつの間にかそこからはみ出さない努力をしていました。その世界の正しい滑りから外れないようにすることを、目的にしていたのです。「このようにすれば評価されるはずだ」と承認を期待する気持ちで滑るようになっていました。特別な動きを自分に当てはめようと努力していたのです。現在でも多くの基礎スキーヤーはそうだと思います。

この期間は非常に多くの事を学ばせて頂いたのですが、ある時スキー関連の全ての組織から去ることにしました。

時間ができたので、新しい世界に足を踏み入れ「自然な動き」を追求するようになり、今に至っています。

「自然で楽な」動きというのは、体のどこにも無理がかかっていない、一筆書きのような滑らかな動きだと感じています。

これは簡単にできそうで、なかなか出来ないことなのです。できれば解りますが、力感がなく浮いている様な感じで滑ることが出来ます。

軽い動きに見えるので、検定には不向きかも知れません。途切れの無い動きというのはリズムを表現できないために、検定員は点(評価)を付けられないのです。

どう滑れば点が出るかといえば、動きと動きの間に、いったん力を抜いて又、力を入れるとか、動きを止めてからまた動くというように、動きにめりはりをつけないと理解されないと思います。しかしこれは、自然な動きからは程遠い動きなのです。

自然な動きと検定等で評価される動きは、まったくの別物です。

多くの人は、慣れてしまった動きを自分では自然な動きだと思い込んでいるようですが“違います”。

次回はもう少し掘り下げてみましょう。ナンバ的な身体の使い方が解っている人は、自然で楽な動きが出来ますよ。(2018年5月26日 サダハル)