分けたら解った(基礎と競技)
基礎スキーヤーは、脇を広げて滑るのが基本らしい。
「八方の学生基礎スキー大会・技術選・テク、クラの試験」どれを見ても同じなので、そう思ってしまいます。
SAJの指導方針でそう決まっているのだろうか? 腕を広げれば腕でしかバランスを取れなくなるのを知らないのだろうか?(体幹部でとらなくてどうする)
楽に脇を広げているのなら良いのですが、力を入れて腕を広げていれば、バランスを崩すと肩まで動いてしまいます。ジャッジをする側からすれば、腕の動きが一番目に付きやすく減点しやすいので、考えた方が良いと思います。
腕を真横に伸ばし肩の高さまで上げると90度、そこから45度まで下げないと、腕の力が抜けません。抜けないと体幹部を使えないので、固い動きになるのです。だから、脚部だけでスキーを操作するようになるのです。脇は45度までにしないと、身体は使えません。動けないのです。
私の大好きなステンマルクは、「私は上半身でスキーをしている」と言っていました。力が入っていないから良い位置に乗れるし、上半身も使えるのだと思います。
スピードターンでは多くの選手が、身体を低くし小さくなって滑ります。そこで腕を広げて滑ると、ダンゴ虫かゴキブリが滑っている様に見えてしまいます。
競技スキーでは、肩を沈ませるようにしています。肩が下がっていないと、手首・肘・肩が股関節や膝の動きを上手く導いてくれるようにはなりません。
要するに、身体全体を効率よく使うために、肩を下げて力を抜くのです。脇を45度以上開くと、力が入りだして肩が上がります。
そして基礎スキーの大きなターンでよく見られるのが、様々な反動を利用して次のターンに入ることです。多くの選手が山回りを大切にし、スキーを踏み込みその反力を利用して次のターンに入っていました。
足裏でける人、膝で蹴る人、腰で蹴る人、肩で蹴る人と様々ですが、反動を利用しないとターンできない選手が多いと思いました。
これも一つの技術で悪い事ではありませんが、競技用のスキーを使って行う技術ではないと思います。
八方尾根リーゼンスラローム大会のような草大会ですら、そのような滑りをする選手はいません。競技スキーでは谷回りのイメージしかなく、山回りをしているという思いはありません。スピードが速いので、反動を求めたらジャンプして飛んで行ってしまいます。
以前にも、競技と基礎を分けて書いたことがありました。こちらです。
(サダハル 2016年3月8日)