ステンマルク<自然な動き>

元来スキーは、シンプルで純粋なものだったはずです。
 

私は、手を肩より上にあげて内足に長い時間のってターンするのは、自然な動きではないと思います。

このような動きが何年もの間続いているのは、「多くの人がやっているので、私もやらないと時代おくれ」と思うからでしょう。

また、「同じ事をする大勢の人の中にいれば安心する」ということもあるのか、スキースクールの指導もこれが主です。

彼らがいつもどおりの道からはずれられないのは、違ったことをすると孤立してしまうし、それが怖いからだと思います。 

いいかげんに現状維持をやめて、勇気をもって変わろうとしないかぎり、いつまでたっても何が自然なのか分からないと思います。

パターン化され、型にはまった同じ動きでスキーをし、その動きを変えないように現状を維持しようと努力しているのでは希望がもてません。

 

スキーの神様と言われた「インゲマル・ステンマルク」が、次のように言っています。

「スキーは力じゃない。スキーに必要なのは、がむしゃらな力や難しい理論ではなく、ターン中に働く自然の力に対して調和していくことなのだ。自然の力を感じ取り、対話する。これが“スキーの心”なのです」と。

自然の力の中に、重力から生まれたスキーを滑らせる力があり、これに自分の身体をスムーズに反応させていく。と言うことでしょうね。

私は、これこそが自然な動きなのだと思います。

身体を、思ったと同時に動かせれば、それこそが自然な動きで、「動かすぞ」と思ってから動くのは、考えてからなので自然な動きではありません。

頭で理論的に考えるのをやめて、思考というものを消して反応するしかないのだと思います。(2013年4月14日 サダハル)