上下動と不安定

上下に動くというこの簡単な動きが、スキーで滑っている時になかなか出来ていないのが現状です。

立ち上がり沈み込みと同時に左右の動きをおこなうと、重心移動が楽に出来ます。

このように身体を動かせば、体勢が不安定になります。しかし不安定になると、身体は自然に安定させようとします。このときの身体は、細胞レベルまで活性化され活き活きと活動します。その為か、視界は広くなるし余裕のある滑りが可能になるのです。

安定していると身体も脳も安心してしまい、注意力が無く緊張しない状態で滑ることになります。動きは単調になり、スキーと同じ方向に身体を動かすことのみになるはずです。

どのように不安定にするかといえば、角付けの切り換え時にターン内側へ意識的に重心を移動させ、スキーを身体から離すようにします。

結果的に脚が伸びてスキーの角が立ち、ターンが始まります。そして山回りになれば身体の真下にスキーが戻り一瞬安定されます。

このような不安定が、スキーの性能を生かしたターンのエネルギーを生むのだと思います。

できれば大きく倒れる寸前まで動き、どこまで不安定に出来るかを試してください。

歩いたり走ったりする時でも片足立の連続で、不安定の状態が続くから、前に進むエネルギーをつくり易いのだと思います。

このスキーのページでは10年前から同じことを言っていたのですが、上下の動きに伴い重心移動をし、不安定にすることを文章で強調したことはありませんでした。

私は毎回動きや感覚を文章にすることの難しさを感じています。

一緒に滑りましょう。そこで私の動きを見て下さい。「滑りながら動く」ということを、言葉や文章では中々伝えにくいものです。

ただ動くことに滑るという移動する時間が加わる実地は、文章からでは読み取れない多くを知ることになると思います。

もう一つの私の感覚ですが、ターンにおける「立ち上がり沈み込みと荷重抜重」の関連をお知らせします。

立ち上がりと抜重は同時に行っていますが、沈み込んだからといって荷重をしている訳ではありません。ただ沈み込んでいくだけで、スキーに圧を加えるとか、加重しようとはしていません。(2013年2月4日 サダハル)